家庭の看護力を高めよう!

image001最近、家庭における看護力が極端に低下しているのを感じます。子どもの「病気のときの自己管理能力を育てること」これも親のつとめです。不潔・清潔がわからない子ども、咳エチケットを知らない子どもに育てていないか考えてみましょう。

私たちが、自分が病気になった時にどうするかということは、実は子どもの頃に親にしてもらったことがベースになっています。義務教育の中では教えてもらえないのです。子どものころの記憶の中に、水枕で頭を冷やしてもらったり、お粥を作ってもらったり、少しずつ水分を与えてもらったり……、そういう記憶がベースになっているのです。今にして思えばエビデンスのない(根拠のない)こともありますが、的を射ていることもたくさんあります。子どもたちの記憶の中に何を残すのか?これからは家庭看護についても学んでいきましょう。

そこでまず今回は、嘔吐のときの対応についてポイントを少し書いてみます。現在はロタウイルスをはじめとするウイルス性胃腸炎が流行っていますが、発病時の最初の症状は突然の嘔吐であることが多いです。嘔吐の際に一番気をつけなければいけないことは、吐物による窒息を防ぐことです。上半身を起こして吐きやすい姿勢にするほうがよいですが、寝ていて吐くときは、横向きにして吐物が気管に入らないようにします。嘔吐がおさまれば、口の中の胃酸を除くためにうがいをさせます。「吐いた後は水分を取らなければならない。」と思ってすぐに飲ませる人がいますが、すぐにたくさん飲ませることはやめましょう。嘔吐後4時間くらいは、また吐く可能性がありますので、嘔気がおさまっているのを確認しながら少量の水分から少しずつこまめに慎重にすすめていきましょう。子どもは少し落ち着くと一気にごくごく飲もうとしますが、さらに吐くという悪循環となってしまいます。子どものしたいようにさせるのではなく、どうするべきかを教えていきましょう。そして、家族内感染を防ぐために吐物の処理は慎重に行いましょう。ロタやノロはわずか10~100個のウイルスで感染するので、吐物や便、おむつの処理には気を使ってください(1回の嘔吐の中には100億個ほどのウイルスが含まれています)。ウイルスのついた手や、その手で触った服、おもちゃ、ドアノブなどを他の人が触ってうつります。「その手で何を触ったか」を常に意識しておくことが大切です。家族の一人がかかったら、兄弟みんな、一家全員が病気にかかるというのをしばしば経験しますが、そういうことのないように、家庭看護力を高めていきましょう。

また、嘔吐がおさまって下痢のみとなった時、「食事をどうするか」も気になるところですが、現在のエビデンスに基づく食事療法のポイントは、1;母乳も人工乳もそのままの濃度と量で継続する(希釈や減量は必要ありません)。2;離乳食開始後の子には、絶食による腸管の安静は必要なく、比較的早期に消化の良いもので食事を開始する。3;嘔気が出てきたときは、いったん食事は中止し4時間ほどはイオン飲料を続け、おさまったら再び食事を開始する・・・などです。 これからもまたいろいろ勉強していきましょう!!

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