言葉とコミュニケーションの発達について

image001言葉が遅いからと言って発達障害であるというわけではありません。言葉の発達には個人差があり、遅くても問題がない子はたくさんいるのです。けれども、言葉というのは誰がみてもわかりやすい発達の指標であることには間違いありません。専門家じゃなくても早いか遅いかがわかるのです。また、言葉の遅れだけではなく、自分が言いたいことはよくしゃべるんだけれども人の話をしっかり聞くことができないとか、聞かれたことに的確に答えたり、会話のキャッチボールがうまくできないなど、言葉とコミュニケーションに関する課題のある子が最近多くなっているのも事実です。そこで今回は、子どもの言葉とコミュニケーションの発達に関する知識を少し持っていただければと思っています。

まずはじめに、言葉の発達は全体発達の反映として結果的についてくるものであるということをご理解ください。コミュニケーション意欲、理解力、語彙力、聞く力、音を出すのに必要な筋肉や神経の発達、注意力、社会性などが発達してきて、その結果として出てくるものが、言葉なのです。コミュニケーション意欲というのは伝えたい気持ちです。周りの大人がよい聞き手になることによって、高まってきます。理解力はわかる事柄です。たくさん一緒に遊んであげることによって、実体験を通じてわかる事柄が増えていきます。そして、たくさん声掛けをしてあげることによって、今見ていること体験していることと言葉が結びついて理解できる言葉が増えていきます。聞く力は単に耳が聞こえているかどうかということだけではなく、一つひとつの音を正しく聞き取れているかという音韻理解の問題も関係してきます。音韻理解の問題があると小学校に入って「言葉を文字であらわす」ときに難しさが出てきます。「がっこう」が「がこう」になったり、促音や拗音がわからなかったりすることがあります。注意力や社会性は、「何かに集中していたら呼んでも振り向かない」とか「自分の言いたいことはすごくよくしゃべるのに、人が言うことはちゃんと理解することができない。」とか「会話がずれやすい」といった場合に注意が必要になります。

言葉とコミュニケーションに問題がある子の場合、上記のようなことについてみていき、どういうところに問題があるのか、どういうことをしていけば言葉が伸びてくるのかを知ることがとても重要なことなのです。言葉とコミュニケーションの遅れは友達とのコミュニケーションに影響してきますし、楽しい園生活、さらには小学校に上がってからの学習にも大きく影響してきます。子どもたちが友達とともに楽しく園生活や学校生活を送れて、困らないためにも、言葉が遅い、コミュニケーションが苦手だと感じておられたならいつでも相談に来てください。早めに対応してあげることによって困らなくなっていくことが多いのです。

次回は第二弾で、言葉が遅れていると感じた時に、具体的にどういうポイントについてみればよいのかということと、家でもできる対応のいくつかについてお示ししたいと思います。

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